No.870 ウサギの脾臓

帯広畜産大学


[動物]ウサギ,日本白色種,雌.
[臨床事項]アミロイドーシス牛の腎臓より抽出したアミロイドを,平成 14 年 12 月 4 日,腹腔内に投与した.さらに平成 14 年 12 月 24 日,FCA (Freund Complete Adjuvant) 1 cc を皮内投与した.平成 14 年 1 月 9 日,元気消失し削痩が見られたため,安楽殺後,剖検を行った.
[剖検所見]脾臓は1.5 cm×8 cm×0.5 cm,両腎は 3 cm×5 cm×2 cm に腫大していた.腎臓表面はび慢性に褪色していた.
[組織所見]赤脾髄に無構造硝子様物質が高度に沈着していた(図 1).硝子様物質は脾索間に沈着し,濾胞内にもわずかに沈着が認められた(図 2).沈着物はコンゴーレッド染色偏光観察で緑色複屈折性を示し,免疫組織化学的にはアミロイド A に陽性を示した.また,電顕的には径10 nm 前後の分枝のない細線維が密に錯綜して構成されていた.
[診断]脾アミロイドーシス(ハム脾)(小谷百合)