ご挨拶
第10回アジア獣医病理学会
学術集会長 中山裕之
動物医療センターPeco
Covid-19のパンデミック、高病原性鳥インフルエンザの蔓延などにより、人と動物の健康、そしてそれらを取り巻く環境の保全の重要性が全世界的に広く認識され、One Healthの概念が注目されています。とくにアジア地域は野生動物に起因する人獣共通感染症の初発生地である場合が多く、こうした感染症を病理学に迅速かつ的確に診断し、その全貌の把握と拡大防止に貢献することは、アジアで活動する私たち獣医病理学者に課せられた使命であると痛感しています。2003年に発足したアジア獣医病理学会は、同年に東京で最初の学術集会が開催されました。今回の学術集会は記念すべき第10回目の開催で、再び東京でJCVPとの共同開催となりました。アジア地域で発生した野生動物の疾患について病理学的な情報を共有し、One Healthの見地から解析と対応を試みることが、人類と動物の健康増進、そして環境の保全への貢献につながればこの上ない喜びです。
第10回日本獣医病理学専門家協会学術集会
学術集会長 鈴木雅実
公益財団法人 実験動物中央研究所
第10回 JCVP学術集会の年会長を務めます、公益財団法人 実験動物中央研究所の鈴木雅実です。本学術集会はアジア獣医病理学会学術集会(会長 中山裕之先生)との合同学術集会として2023年3月29日(水)から31日(金)の3日間の日程で、タワーホール船堀(東京都江戸川区)にて開催します。
今回の学術集会のテーマは「アジアにおけるOne Healthと獣医病理学」としています。獣医病理学では、比較的簡便な基本的手法で、全身の臓器・組織・細胞を観察・評価することができ、永年培われてきた学問体系を理解・利用することで、病態の原因、経過、発生機序などを推測することができます。獣医病理学の発展のためには、獣医病理学者が積極的に情報交換、意見交換を行い、獣医病理学の学問体系に磨きをかけいく必要があります。例年はJCVP会員を中心に議論を深めいていますが、本学術集会ではアジア各国の獣医病理学者が集い、近年課題となっている感染症関連疾患を含め様々な疾患について議論する場を設けていきます。学術集会にご参加いただきました皆様が、それぞれ将来のOne Healthならびに獣医病理学の発展に夢と使命を見出せるよう、楽しく意見交換と交流を行う機会にしていきたいと考えています。多くの皆様方のご参加を心よりお待ちしております。